【トランプ前大統領】“口止め料”など巡り34の罪で起訴 トランプ氏は徹底抗戦

34の罪で起訴されたアメリカのトランプ前大統領。裁判が始まりましたが、全面否認しました。口止め料を弁護士費用として処理し、これが2016年の大統領選の選挙資金にあたるとして、検察は「重罪」と主張。来年の大統領選にどう影響するのでしょうか。

■「口止め料」立て替えで費用処理
有働由美子キャスター
「トランプさんの裁判が始まりましたが、そもそも起訴された34の罪はどのようなものなのでしょうか」

「例えば不倫相手のポルノ女優に13万ドル、トランプ氏に隠し子がいるという情報を持っているトランプタワーの元ドアマンに3万ドル、性的関係を持ったとする女性に15万ドル。これら全てが口止め料です」

「ポルノ女優のケースでは、この口止め料をトランプさんの顧問弁護士が支払い、後にトランプさんの親族の会社が弁護士に返済する際、弁護士費用として処理しました。この流れが、記録の改ざんにあたるとされています。これが重罪になるということでしょうか?」

■州法に抵触か…検察の姿勢に批判も
小栗泉・日本テレビ解説委員
「記録の改ざん自体は罰金程度の軽犯罪です」

「ただ今回はニューヨークの州法に照らし、この弁護士費用が、当時トランプさんが大統領に選ばれたくてスキャンダルを出さないようにするための事実上の選挙資金にあたるとして、検察は『刑務所に収監される重罪だ』としています」

「一方、アメリカ政治に詳しい明海大学の小谷哲男教授によると、アメリカの司法省の関係者は『自分ならこんな論理の飛躍はしない』と述べています」

「またバイデン政権としても『ニューヨークのいち地方検事がかなり突っ走ってしまった』とみているそうです。今後、裁判所は検察のこじつけを受け付けない可能性もあるということです」

■支持者へのアピール利用を防ぐ配慮
有働キャスター
「ただ、起訴自体はアメリカ国民の60%は支持しているんですよね」

小栗委員
「そうです。その一方で、リアル・クリア・ポリティクスによると、来年の大統領選に向けた共和党の候補者の平均支持率でトランプさんは50%を回復し、起訴されたことで急上昇しています」

「それだけに今回、検察はトランプさんに手錠をかけず、『マグショット』と呼ばれる写真撮影も行いませんでした。また裁判所も、メディアからの生中継の要請を断ったということです」

「これらは、手錠をかけられたらトランプさんがそのイメージを逆手に取り、『こんなひどいことをされた』と支持者へのアピールに利用することがないようにと、配慮があったということです」

■専門家「トータルでは民主党に有利」
有働キャスター
「この流れは、選挙戦にどのような影響が出そうですか?」

小栗委員
「小谷教授は『今回の起訴でトランプさんは共和党内での指名は獲得しやすくなった。ただ民主党支持者に加えて無党派層は投票しにくくなるので、トータルでは民主党側に有利になり、トランプさんの大統領返り咲きは遠のいた』とみています」

辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「選挙を前にすると、印象付けをする情報戦や、ともすると陰謀論のようなものすら生まれたりして、特にネット社会では激化しやすいです」

「実際に(2020年の)大統領選(がきっかけ)で議事堂への襲撃事件にまで発展したわけで、このように過度に対立や緊張を煽ることで、社会に混乱を招きかねないなと思います。候補者や検察ならなおのこと、国民の混乱を煽るようなことがあってはいけないですよね」

有働キャスター
「ウクライナ侵攻もあって、今こそ民主主義の力が問われるというタイミングで、前大統領が『魔女狩りだ』と分断を煽る。こんな環境で大国の新しいリーダー選びを繰り返してほしくありません」
(2023年4月5日放送「news zero」より)

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