無期懲役男に別事件で死刑判決 2015年12月15日

無期懲役男に別事件で死刑判決
2015年12月15日 19時05分
8年前のいわゆる「闇サイト殺人事件」で無期懲役が確定した男が、17年前に愛知県碧南市で夫婦を殺害し現金を奪ったなどとして、強盗殺人などの罪に問われた裁判で、名古屋地方裁判所は「冷徹に殺害行為を
繰り返しており、死刑の選択をためらわせる事情はない」として死刑を言い渡しました。
岐阜県出身の堀慶末被告(40)は平成10年、仲間2人と碧南市のパチンコ運営会社の営業部長、馬氷一男さん(45)と妻の里美さん(36)の2人を殺害して、現金6万円などを奪ったほか平成18年に
名古屋市守山区で女性に大けがをさせて貴金属などを奪ったとして、強盗殺人や強盗殺人未遂などの罪に問われました。
これまでの裁判で検察が死刑を求刑したのに対し、被告側はいずれも殺意を否定して死刑を避けるよう求めていました。
15日の判決で、名古屋地方裁判所の景山太郎裁判長は「被告は終始率先して犯行に及び、共犯が妻を殺害することを了解し、夫の首を強い力で3分以上強く締めたことは間違いないといえる」などと指摘して殺意があったと判断しました。
そして「幸せな家庭生活を送っていたのに突然人生を絶たれた2人の絶望や無念の思いは察するに余りある。被告は冷徹に殺害行為を繰り返しており、死刑の選択をためらわせる事情はない」として、死刑を言い渡しました。
堀被告については、平成19年に携帯電話のサイトで知り合った共犯らと、名古屋市内で女性を連れ去り殺害した「闇サイト殺人事件」で無期懲役が確定しています。
15日の判決では主文の言い渡しが後回しになり、判決の理由の読み上げから始まりました。
裁判長が、約1時間にわたって理由を読み上げたあと、堀被告に対し正面に立つよう促して「主文、被告人を死刑に処する」と述べました。
その瞬間、堀被告は正面を見据えたまま小さくうなずきました。
判決のあと、堀被告の弁護士は控訴する意向を示しました。
判決のあと、被害者の馬氷さんの息子2人がコメントを出しました。
この中で、長男の一樹さん(25)は「当然の結果ですが、裁判所が当然のことをきちんと適正に判断してくれてほっとしました」としています。
また、次男の貴成さん(24)は「被告が死刑になったからといって遺族が償われる訳でも喜ぶ訳でもありません。ただやってきたことが報われたという気持ちです」としています。
判決について名古屋地方検察庁の小暮輝信次席検事は「事実の認定でも量刑でも適切な判断を頂いたと考える」というコメントを出しました。

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