渦巻く水流に上がる水位…伊豆諸島・小笠原に一時津波注意報 専門家「局所的に海底隆起し津波発生か」気象庁は海底噴火との関連調査

24日朝、津波注意報が発表された東京・八丈島の漁港で撮影された映像を見ると、普段は穏やかだという港の中で、津波とみられる濁った水が渦を巻くように流れている様子が分かります。

この港で、同じころに撮影された別の映像には、「一瞬で流れてきたじゃん」「あーやばいやばい」「すごい(海面)上がってんじゃん」と、海の異変に戸惑う会話が記録されていました。

24日の地震は午前8時14分ごろ、八丈島の南180kmの鳥島近海で起きました。
この地震で震度1以上の揺れは観測されませんでしたが、気象庁は伊豆諸島と小笠原諸島に津波注意報を発表。

午前9時前には、八丈島の八重根で高さ50cmの津波が観測されました。

映像の撮影者は、「普段はかなり穏やかなんですね。その穏やかな渦の中に強い潮の流れが入ってくるというか、渦ができているような状況だったので」と話します。

24日朝、津波注意報発表後に、八丈島の北側にある漁港で撮影された映像を見ると、震源地とは反対側にあるにもかかわらず、堤防を超える白波が確認できます。

東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授は、「正面から津波が来るのと、島の周りを左右に分かれて背後でぶつかり合うと、津波の高さとか流れが大きくなる場合もあります」と指摘します。

今回の津波注意報は、午前11時に解除されました。

気象庁によりますと、震源は鳥島近海で、深さは19km、地震の規模を示すマグニチュードは5.8と推定されています。

東北大学災害科学国際研究所の今村教授は、今回の津波の発生原因について、「今回の津波は少し特殊だと考えられています。注意報レベルの津波を起こすには地震そのものは小さい。(地震だけでは)今回の規模の地震は発生しづらく、おそらく海底でかなり局所的に隆起したり沈降したりして津波が発生した」という見方を示しました。

鳥島近海では2023年10月にも地震が発生し、津波が発生。
この時も八丈島に60cmの津波が押し寄せ、船が転覆するなどの被害が出ました。

この時の地震は、海上保安庁の調査で、海底噴火によるものだったことがわかっています。

気象庁は24日朝の地震についても、海底噴火との関連について調べています。

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