1999年5月16日に放送された、あるテレビアニメの一話があります。
世界のほとんどの国で流れました。けれど日本では、いまだに一度も流れていません。
先にはっきり申し上げます。私はこれを予言だとは言いません。
むしろ今回は、予言だと言われてきたものを、書いた本人が否定するところから始まります。
シンプソンズが日本を正面から描いた回は、700を超える回のなかで2本だけです。
1本が1993年5月6日。日本の工場から送られた箱によって、遠い町に病が広がる回でした。
作中では「大阪風邪」と呼ばれています。2020年、この場面は予言だったとして世界中に拡散しました。
けれど2020年3月15日、その脚本を書いたビル・オークリー本人が否定しています。
予言ではない、ただの冗談だ、と。そして彼は、こう続けました。
アジアに責任を負わせようとすることについては、下品だと思う、と。
もう1本が1999年5月16日。シンプソン一家が日本にやってくる回です。
この回だけが、日本で放送されませんでした。理由は3つ重なっています。
私は、日本がこの回を流さなかったことを間違いだったとは思いません。むしろ正しかったと思っています。
ただ、その結果として、世界中の人が見た日本の姿を、日本人だけが見ていないという状態が27年続きました。
今回は、放送日も話数も脚本家の名前も分かっている、記録の残っている2本だけを並べていきます。
当たっていたかどうかの議論からは、今回は降ります。
最後まで見ていただくと、この国が30年のあいだ気づかずにいたことが、ひとつ見えてきます。
【目次】
00:00 あなたが見ていない一話
01:56 1993年5月6日、大阪から出た箱
04:02 27年後、世界がその箱を思い出した
05:44 書いた本人が、否定した
07:13 下品だという一言
09:03 1999年5月16日、一家は日本に降りた
11:56 日本でだけ、その回は流れなかった
15:01 出ていくものが、世界を変えてきた
19:51 語られているもう一つの話
23:22 まだ、わからないこと
24:50 あなたが見ていない一話の、その続き
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VOICEVOX使用音声:青山龍星
