イラン、ウラン濃縮度の上限引き上げを発表(19/07/07)

イランは核合意で規定されたウランの濃縮度の上限を引き上げる方針を発表しました。  イラン原子力庁は7日、ウランの濃縮度について核合意で定められた3.67%の制限を超えて引き上げることを公表しました。当面は5%程度にまで引き上げられるものとみられます。イランは核合意を離脱し、イランへの経済制裁を再開したアメリカへの対抗措置として5月に核合意の履行義務を一部停止し、低濃縮ウランの製造を加速させています。1日には低濃縮ウランの貯蔵量が核合意で定められた上限の300キロを超えたことを公表しました。これに対し、アメリカのトランプ大統領は「彼らは火遊びをしているのだと思う」などと批判しています。イランは理論上、核兵器にも転用可能となる高濃縮ウランの製造を再開する方針で、1日のウランの貯蔵量の上限超えと濃縮の上限超えでイランの核開発制限を盛り込んだ欧米との核合意の枠組みは崩壊の危機にあります。ただ、イランとしては濃縮度の引き上げを当面は小幅に抑えることで、ヨーロッパから支援策を引き出したい考えです。
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