入試改革中止求め高校生らデモ 文科相は「実施に全力」

2020年度から始まる大学入試改革の中止を求める抗議デモが9月13日夜、東京・霞が関の文部科学省前であった。8月末から始まり、今回で3回目。ネット上の呼びかけで高校の生徒や教師ら約100人が集まり、「試験の公平性がないがしろにされている」などと訴えた。
 現行の大学入試センター試験に代わる大学入学共通テストでは、国語と数学で記述式問題が導入されるほか、英語では「読む・聞く・話す・書く」の4技能を測るため、民間試験が活用される。しかし、民間試験の試験日や場所、大学の活用状況の多くが未定で、住む地域や家庭の経済力による不公平さも指摘されている。全国高校長協会は10日、民間試験導入の延期と制度の見直しを求める要望書を文科省に提出した。
 一方、萩生田光一文科相は13日午前、英語民間試験の導入について「私の(就任した)時点で見直しや廃止をするというのは大きな混乱になるので、実施を前提に全力を挙げたい」と話した。毎週金曜に抗議デモが続いていることについては認識していなかったとして、「不安に思う気持ちを一定、私は理解します。限られた時間の中で不安を解消し、いい制度にできるように努力したい」と話した。