最新ニュース2019年6月15日 → アメリカを覆う陰謀論「Q」とは?トランプも手を焼く聖典の中身

アメリカを覆う陰謀論「Q」とは?トランプも手を焼く聖典の中身

→ 「Qは真実を語っているの」
 5月末の訪日の直前、ドナルド・トランプ大統領が、米東部ペンシルべニア州のモントゥアズビルという人口4500人ほどの小さな街で集会を開催したことは、あまり知られていません。

トランプ大統領の支持者が集まる集会は、たいてい午後4時開場、7時開始です。

しかし、筆者が開始11時間前の朝8時に会場へ到着すると、すでに徹夜組を含めて、およそ100人の熱狂的支持者が列を作っていました。

その中には、米国の巨大匿名掲示板「4chan」や「8chan」でトランプ大統領を擁護する投稿を続けている、謎の人物「Qアノン」のフォロワーもいました。

今回、あるトランプ支持者が、Qフォロワーのリーダー格とされる、白人女性のマリー・ルーさんを紹介してくれました。 ルーさんは40代半ばに見えました。

今年2月に出版された、Qアノンに関する著書『偉大なる覚醒への招待:An Invitation to The Great Awakening』(仮訳)を日本で購入したとルーさんに伝えると、彼女は目を大きく見開いて笑顔を浮かべ、筆者を歓迎してくれました。

「Qアノンは真実を語っているの」

 ルーさんはこう語ると、「我々はQの支持者だ(We are Q)」と印刷された紙を封筒から取り出して、筆者に手渡しました(断っておきますが、筆者は調査研究のために集会に参加しており、Qの支持者ではありません)。

「あなたもトランプ集会で、この紙を掲げてQフォロワーの存在感を示して欲しい」という彼女の強い思いが伝わってきました。

ルーさんは他の支持者にもこの紙を配布していました。

羽田空港から2回乗り継ぎをしてモントゥアズビルに入った筆者は、早速Qフォロワーと接触でき、すべてが順調に進んでいると思っていました。

しかしこの後、間一髪の事態が筆者を待ち受けているとは、夢にも思いませんでした。

ルーさんを交えて他のQフォロワーと立ち話をしていると、サングラスをかけた体格の良い4人組の男が、突然近づいてきました。

彼らはダークスーツを着用し、襟にシークレットサービス(護衛官)のバッジをつけていました。

つまり、トランプ大統領のシークレットサービスです。

1人のシークレットサービスがルーさんに向かって、ジェスチャーを交えながら「こっちに来い」と、少々乱暴な口ぶりで言いました。

周囲の人は心配そうな表情を浮かべて、ルーさんを見守っていました。

シークレットサービスは「Qについて印刷した紙は、集会に持ち込むことはできない」と言うや否や、ルーさんの封筒を取りあげました。

トランプ陣営にも警戒されている
 しかし、これで決着がついたわけではありませんでした。

シークレットサービスは、他のQフォロワー、そして筆者にも「Qアノン支持」の紙を提出するように要求してきたのです。

筆者は、紙をポケットの中に隠そうと思えばできたのですが、正直に渡しました。

ところがその時、「我々はQの支持者だ」と印刷された面ではなく、ルーさんから聞き出したQアノンについての情報をメモした裏面を、表側に折って渡してしまったのです。

そこには、「Qフォロワーの間では、偽証罪などで起訴されたマイケル・フリン元大統領補佐官(国家安全保障問題担当)がQアノンの運動を始めたといわれている」などの情報が記されていました。

シークレットサービスは数メートル歩いたところで、筆者のメモに気づき、突然立ち止まってそれを読み始めたのです。

この間、まったく生きた心地がしませんでした。 彼らはメモの内容を吟味しているようでした。

彼らに「このメモを書いたのは誰だ」と追及され、内容について尋問される場面が脳裏に浮かびました。 万事休すだ。 「しまった。

帰国できないかもしれない」

 しかし幸いなことに、シークレットサービスが引き返してくることはありませんでした。

焦って自分でも忘れていましたが、筆者は日本語でメモをとっていました。

いずれにしても、シークレットサービスはQフォロワーの存在をかなり警戒している様子でした。

しかし、Qフォロワーといえば筋金入りのトランプ信者です。

なぜトランプ陣営は、Qフォロワーにこれほど神経質になっているのでしょうか? 
 筆者が30代と見られる白人男性のQフォロワーに質問すると、彼はこう回答しました。

「トランプ集会が、Qアノンの集会だと見られたくないからさ」

 つまり、率直に言えば、トランプ陣営はQアノンとトランプ大統領が結びつけられることを、嫌がるようになっているのです。

Qアノンは、一般国民からは「陰謀論者(conspiracy theorist)」と見られているからです。

実はトランプ支持者の中にも、Qフォロワーを「異端児」とみて否定的に捉えている支持者も増えてきているのです。

あるQフォロワーは、シークレットサービスに警戒されるのを避けるためか、集会が終了してから「Q」のサインを掲げていました。
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