20130619 UPLAN 孫崎享 原発、TPPなどとアメリカ

尖閣諸島・竹島・北方領土の領土問題では、あまりにも事実が国民に知らされていない。多くの日本人は、日米安保条約があるから領土問題では米国が守ってくれると思っている。中ソ国境紛争やイラン・イラク戦争の現場に外交官として赴任、情報収集にあたり、その後、防衛大学教授として日本の安全保障を研究、分析した著者がこれら領土問題を掘り下げ、対立する論点をつまびらかにし、平和的解決を探る。
「日本の領土問題を論ずる時の出発点は1945年7月26日ポツダム宣言であると思っている」という著者は、同じく敗戦国となったドイツに領土問題に関する英知を見出している。
領土問題に関してこれほど明瞭に理解できたことはなかったし、日本は今後どのような解決方法を選んだらよいのかを納得させてくれた本もなかった。必読の書である。