20170526 UPLAN アミタフ・アチャリア「今、東アジアの安全保障を考えるー「力の外交」に対峙するにはー」

【新外交イニシアティブ】
近年、米国のリバランス政策、および、中国の一帯一路政策などによりアジアにおける米中の主導権争いが進みつつある。また、トランプ政権発足後「力による外交」の風潮がより強まり、これまで以上にアジア地域における緊張が高まっていると報じられている。
このようなアジア情勢に対し、アミタフ・アチャリア氏は、国際秩序を単に「パワーバランス」とみなすのではなく、「セキュリティ・エコシステム(Security Ecosystem / 安全保障の生態機構)」という概念により、地域の安定を図るべきと提唱する。「エコシステム」においては、構成要素が相互に支え合って存在しており、重要な要素を一つでも失うと全体の安定を害することになる。
現在の東アジア情勢に平和をもたらすための鍵は何か、東アジアの地域統合やASEAN(東南アジア諸国連合)を専門とするアチャリア氏の見解を伺う。トランプ政権下の米国の軍事戦略や日本の果たすべき役割等についてもワシントンの現状を踏まえながらお話しいただく予定である。
登壇者プロフィール:
・アミタフ・アチャリア氏(アメリカン大学名誉教授/元国際関係学会会長)
アメリカン大学国際関係学部の名誉教授であり、現在清華大学(中国)の国際関係学部でも教鞭をとる。過去に英・オックスフォード大学のクリステンセン・フェローとして任命され、南アフリカのロードス大学で”ネルソン・マンデラ”客員教授として勤めたことがある。また、最も国際関係の分野で評価され、影響力のある国際関係学会(International Studies Association, ISA)で、非西欧人として初めて会長を務めた。
主著に、”The End of American World Order” (アメリカ世界秩序の終焉)、”Constructing a Security Community in Southeast Asia” (東南アジアの安全保障コミュニティー) などがあり、東南アジアの地域統合に関する著作を多数執筆している。
コーディネーター
・猿田 佐世(ND事務局長/弁護士)