20220329 UPLAN 孫崎享「ウクライナ情勢」

【新ちょぼゼミシリーズ「オルタナティブな日本を目指して」(ちょぼちょぼ市民によるちょぼちょぼ市民のためのゼミナール)緊急】
ウクライナでの戦争が日々、緊迫を増しています。ウクライナ情勢について、海外事情にお詳しい孫崎享さんに緊急のご講演をお願いいたしました。「日本国民は総じて「悪いのはロシア」という指摘に何の疑問も持たない。「強権プーチン大統領はウクライナを軍事力で奪おうとしている」という見方が日本に定着している。ところが、ここには重要な論点が見逃されている。「特定地域の帰属をどうすべきか」という問題は、台湾問題でみられる通り、「地域住民の意思を最優先する」という考えに異を唱える人は少ないだろう。それでは今、争点となっているウクライナ東部やクリミアはどうなっているか。ウクライナ語を母国語とする人々は、クリミア自治共和国で 10.1%、ドネツク州で24.1%、ルガンスク州で 30.6%である。残りは基本的にロシア語を母国語とする人々と見ていい。(中略)だが、ウクライナは激しいウクライナ政策を推進し、ロシア語を母国語とする人々を公的機関から排除した。それならばと住民が独立やロシア併合をめざした。こうした動きに対し、ウクライナ政府は軍事力で制圧しつつ、ロシア語を話す人々がロシアの助けを求めたのである。」(孫崎享さん:日刊ゲンダイ 2022.2.11 から抜粋)。
講師:
孫崎 享 (まごさきうける)さん
東アジア共同体研究所理事・所長。東京大学法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。大学を中途退学
し外務省に入省。外務省国際情報局長、駐イラン大使などを歴任。著書『戦後史の正体 1945-2012』(創元社)、共著『「対米従属」
という宿痾(しゅくあ)』(飛鳥新社)他多数