20230328 UPLAN 孫崎享「台湾有事と日米軍事同盟」

【オルタナティブな日本をめざして(第83回)】
「安全保障環境が厳しさを増している」などと称して台湾周辺での中国との軍事的対立や緊張を煽る岸田文雄自公政権。安倍晋三政権時代の戦争法制・集団的自衛権行使容認からさらに一歩進め、敵基地攻撃可能な兵器装備や軍事費をGDP2%にまで拡大する大軍拡に踏み切った。わが国には多くの政治的政策的課題があり、今後も軍拡などよりも必要性の高い取組に大きな財源が必要であるにもかかわらず、である。しかし、中国や台湾を巡る情勢は日米のマスコミが報道するように中国の侵略的態度により「緊迫の度を増している」のだろうか? むしろ事態は逆で、米国の世界戦略の中で極東が「第二のウクライナ」として位置づけられ、中国というよりも米国の方が軍事的挑発的態度を示していて、対米隷属を続ける日本がそれに追従をしているだけなのではないのか。今回は外交問題に詳しい孫崎享氏(元外務省国際情報局長)においでいただき、日米軍事同盟の現状も視野に入れての台湾情勢について解説していただきます。
講師:孫崎 享(まごさき うける)さん
東アジア共同体研究所理事・所長。東京大学法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。大学を中途退学し外務省に入省。外務省国際情報局長、駐イラン大使などを歴任。著書『戦後史の正体1945-2012』(創元社)、共著『「対米従属」という宿痾(しゅくあ)』(飛鳥新社)他多数