「娘を抱きしめたい思い変わらない」 闇サイト事件死刑

「娘を抱きしめたい思い変わらない」 闇サイト事件死刑

朝日新聞デジタル 6月26日(金)3時33分配信

死刑執行を受け、報道陣の質問を受ける磯谷利恵さんの母富美子さん(左)=25日午後6時30分、名古屋市中区、飯塚悟撮影

 見ず知らずの男同士が、女性を襲って金を奪うためだけに、ネットを通じて集まった闇サイト殺人事件。卑劣で残虐な手口から、被害者が1人でも死刑判決になった44歳の死刑囚に25日、死刑が執行された。「娘は帰らない。区切りはない」。殺害された女性の母親は悲しみをにじませた。

【写真】死刑執行について記者の質問に答える磯谷利恵さんの母富美子さん=25日午後6時28分、名古屋市中区、飯塚悟撮影

 「娘をもう一度、抱きしめたいという思いは変わりません」。事件から約8年――。磯谷利恵さん(当時31)の母親の富美子さん(63)は、執行について「突然のことで驚いた」としながら、知らせを聞いて頭に浮かんだのは利恵さんの笑顔だったという。

 事件にかかわった3人の公判では、殺害時の残虐な様子が語られた。磯谷さんの遺族は逮捕直後から極刑を求め続け、33万人以上の署名を集めた。しかし、共犯の2人は無期懲役が確定。「3人に対する憤りはもちろん、国に対して疑問を持ち続けている。被害者の数ではなく、犯行内容を見て裁いて欲しい」と訴える。

 富美子さんは「いつ死刑執行されるのか気にしなくてもよくなったが、娘は帰らない。全てが終わったわけではない。区切りはない」と話す。墓前に、死刑執行を報告するつもりはないという。「本人も遺族も思い出したくないことだから」(杉浦達朗、山本恭介)

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 〈闇サイト殺人事件〉 名古屋市千種区の路上で2007年8月、帰宅途中の会社員磯谷利恵さん(当時31)が男3人に拉致、殺害され、遺体は岐阜県瑞浪市の山林に捨てられた。3人はインターネットサイト上の「闇の職業安定所」を通じて知り合い、犯行に及んだことから、犯罪請負などの情報があふれる「闇サイト」が社会問題となった。名古屋地裁は09年3月、神田司(44)、堀慶末(40)の両被告に死刑、自首した川岸健治被告(48)に無期懲役の判決を言い渡した。3人は判決を不服として控訴したが、神田被告は同年4月に控訴を取り下げたため死刑が確定。残り2人は12年までに無期懲役が確定した。堀被告は、別の男らと愛知県碧南市の夫婦を殺害したとして、12年8月に強盗殺人罪で起訴されている。
引用元 Yahooニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150626-00000010-asahi-soci



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